酵素ドリンクはなぜ美容と健康にいいの? 飲む意味はあるのか、真面目に考える

流行りの酵素ドリンク・・・手作りから市販品、サプリまでいろいろありますが、ダイエットや美容にいい! ばかりが先行してしまって「なぜ酵素を摂ると体にいいのか」って、あんまり意識されてないんじゃないでしょうか。
・そもそも酵素ってなんなのか
・生の酵素を摂ると体はどうなるのか
・酵素ってそのまま吸収されるのか
などなど、この記事では「酵素を飲む意味ってなに?」「酵素ダイエットって理にかなっているの?」と、自分でも疑問に思ったことを調べて持論を展開します!
酵素ドリンクに根拠を求めたい方、よかったら参考にしてください!
この記事の内容(クリックで移動します)
そもそも酵素とは?
酵素とは・・・たんぱく質の一種で、細胞のいろんな生命活動をおこなうために不可欠の物質です。
いろんな物質を運んだり分解したり合成したりするための触媒としてはたらき、生き物が生き続けるための化学反応をおこしています。そのひとつひとつの化学反応には、それぞれ独自の酵素がかかわっていて、それこそ酵素の種類は数え切れないほどあります。
人間が生きていくのに必要な酵素も当然たくさんあって、そのほぼすべてを体内でアミノ酸から合成しています。
つまり、基本的には「体内で合成される」ので、酵素を食べたり飲んだりしてもそれがそのまま細胞までいきわたるわけではないし、摂取した酵素が人間の生命活動に必要なものと一致しているとは限らないわけです。
酵素を飲むとどうなるのか
えっ、じゃあ酵素飲んでも意味なくない? というのはちょっと待った!
「飲んだ酵素がそのまま人間の細胞で使われるわけじゃない」のであって、分解吸収される前・つまり消化管の中でははたらく(活性化する)可能性はじゅうぶんにあります!
消化をたすけて胃腸の調子を整える
消化管の中で酵素がはたらくとはどういうことか? 以下のふたつのはたらきが期待できます。
(1)消化酵素と一緒に他の食物の消化吸収をたすける
(2)腸内細菌を活性化させて、腸内環境をととのえる
(1)消化酵素と一緒に他の食物の消化吸収をたすける
酵素の中には、たんぱく質や脂質・糖質の分解消化をたすけるものがあります。
もともと人間自身が分泌している消化液に加えて、酵素ドリンク等で摂取した酵素が消化吸収をたすけてくれるということは、人間の胃腸的には「助かる」わけで、胃腸を休ませてあげることが可能になるわけです。
後から触れる「断食ダイエット」に酵素ドリンクが使われる理由は、このあたりにもあります。
食事をお休み+消化管の酵素分泌もお休みすることで、胃腸を休ませその分のエネルギーを体調改善に回している・・・と考えると、理にかなっているなぁ・・・と思います。
(2)腸内細菌を活性化させて、腸内環境をととのえる
ヨーグルトや納豆などの発酵食品をイメージするとはたらきとしては近いです。
発酵食品には「腸にいい善玉菌」と「それらの善玉菌がもつ酵素」が含まれているわけですが、酵素ドリンクに含まれる酵素も、人間の体が使うものでなかったとしても発酵食品と同じように腸内善玉菌が使ってくれるかもしれないということです。
腸内の善玉菌が元気になると腸内環境が改善してお腹の調子がよくなる・善玉菌が出す物質のおかげで美容効果が期待できる、などの反応が考えられます。
酵素は美容にもいいといわれますが、酵素そのものが直接美肌にいいというよりは、こういう複雑な流れの結果、美容にもいい結果をもたらすと考えるのが妥当でしょうね。
酵素は体内に吸収される?
酵素そのものは分解消化されて、たんぱく質の材料となるアミノ酸の状態で体内に吸収されます。
ので、飲んだ酵素がそのまま酵素としてはたらくわけではないのは上に書いた通り。
でも、酵素→アミノ酸→ふたたび体内でたんぱく質や酵素に合成される・・・と考えると、酵素を摂ること自体は決して無意味ではないんじゃないかな?
アンチ酵素ドリンク派の意見としては、「酵素を飲んでも腸で分解されてアミノ酸になっちゃうから意味ない」というのが主です。たしかに科学的にも証明されていません。
ただ、飲んだ酵素のうちいくらかはアミノ酸を経てふたたび何かの酵素にに再合成されるんじゃない? だから無意味とまではいえないんじゃない? というのが私の持論です! もともと酵素を構成していたアミノ酸なのだから、酵素の材料として使われるかもしれないじゃないですか。
あくまで「かもしれない」レベルの話なんですが^^; 生理学的に証明されてなくても、変化を実感してる人が実際にたくさんいるのだったらそれは無視できないなーと思うわけです。
酵素の分子量と消化吸収のしくみ
じゃあ具体的に酵素が本当に吸収されるのかされないのかという話。
酵素というのはたんぱく質の一種で、たんぱく質はアミノ酸という物質がいくつも結合してできたものです。
たんぱく質は胃と腸で消化されてアミノ酸サイズまで分解されて吸収されるわけですが、このとき腸が吸収できる大きさというのがだいたい分子量1000程度までといわれています。(正確にどの程度の大きさの分子まで腸が吸収できるのかはまだ判っていないようです)
ちなみにアミノ酸の分子量は種類によって違いますが〜200程度、ブドウ糖は180、脂肪が分解されてできる脂肪酸やグリセリンが〜500程度です。
多くのたんぱく質の分子量は5000以上で、酵素の多くもこれ以上の大きさ。ということはやっぱり、ほとんどの酵素は腸から体内に吸収される時点で分解されてアミノ酸になっていると考えるのが妥当でしょう。
ただ最近は、分子量1000程度の小さいサイズの酵素も作られ製品に配合されるようになってきています。吸収される可能性がないとはいえないですね。
酵素を含む食品
酵素を多く含む食品の代表格といえば「発酵食品」です。
チーズ・ヨーグルト・漬物・納豆・などなどなど・・・
発酵食品は、微生物の力で食品の成分が分解・合成され、本来の食品にはなかった物質(栄養素や風味)が含まれるようになったもの。美味しく変化するだけでなく、消化がよくなっていたり栄養価がアップしていたり、それに加えて微生物そのものが生きていたり、微生物がもっていた酵素が多く含まれているものもたくさんあります。
次によく言われるのが非加熱の生のフレッシュな食品。
生野菜・フルーツ・お刺身などですね。
酵素はタンパク質なので熱で変性(構造・形が変わること)し、失活(はたらきが失われること)します。もともと生き物の中には量の違いはあれ、必ず酵素が含まれているわけですが、細胞が壊れたり加熱することで無くなってしまうわけです。
加熱せず新鮮なまま食べる食品は、その食品が細胞内に本来持っていた酵素も一緒に食べることができるのです。
酵素ドリンクとは
酵素ドリンクは、酵素を多く含む飲み物の総称
では酵素ドリンクとは何か、という話です。
一言で言えば、酵素を多く含んでいるのが特徴の飲み物のこと、といえるでしょう。
広い意味ではフレッシュフルーツジュースや甘酒なんかも酵素ドリンクといえる・・・かも!?
手作りと市販品がある
ただ一般的に「酵素ドリンク」という場合は、特に酵素を摂ることを目的にした飲み物を指すことがほとんどです。
「酵素ドリンク」として売られている市販品と、自分で材料を用意して発酵させて作る手作り酵素ドリンク、ふたつのジャンルがあるというのが実情ですね。
値段や品質の違いはどこ?
手作りについては詳しくないのでここでは割愛させていただいて^^; (作るのに手間がかかるのと衛生管理が面倒そうというイメージはある。。。)
数ある市販の酵素ドリンク、値段もピンキリ(基本、けっこう高い。。。)だけれども、商品によってどう違うのか? 気になりますよね。
市販品の場合、酵素をしっかりとるための工夫がいろいろとされています。
・分子量(酵素の大きさ)を小さくして吸収しやすくしている→出荷前の加熱殺菌や胃の消化液で破壊されず、酵素のはたらきをもったまま腸に到達できる
・熱や酸に強い酵素を配合している→殺菌のための加熱や胃酸による破壊を最小限にとどめる
また、商品によっては美容にいい成分を追加したり、材料にこだわっていたりします。
あとは生産量とか・・・そのあたりが、価格に反映されてくると考えられますね。
酵素ダイエットに意味はあるのか
酵素ドリンクを使ったダイエット、酵素ダイエット(サプリを使うものもありますが)といえば「断食ダイエット(ファスティングダイエット)」と「置き換えダイエット」が有名です。
これらの酵素ダイエット、果たして効果はあるのか? 根拠はあるのか? 考えてみます。
酵素ドリンクと断食(ファスティング)
断食ダイエットといえば、「体重を減らすだけではなく胃腸を休めて体調を整え、体質改善を目指す」少し前からとっても人気のダイエット方法です。
酵素ドリンクじゃなくても、お腹にやさしい飲み物を水分として摂ることで断食ダイエット自体は可能ですが、「胃腸を休める」という目的から考えると、酵素を補うというのはとても理にかなった方法かなと思います。
ただ、本格的に3日とか1週間完全に固形物食べないみたいな断食は、素人判断で下手にやるとただの絶食になるので^^; ちゃんと専門家の指導のもとでおこなうのがいいでしょう。
参考になるのは、酵素ドリンク発売元で紹介されているファスティング初心者向けの飲み方例。
・1日1食を酵素ドリンクで置き換え
・1日3食を酵素ドリンクで置き換え×月2回
・週末に準備期間含めて3日間の週末断食 など・・・
こういった「プチ断食」と、普段は酵素ドリンクと糖質制限を組み合わせることで、無理な食事制限をすることなくダイエットが続けられるように工夫していくのがいいと思います☆
ちなみに断食ダイエットでの飲み方については、断食道場の経営元から開発・発売された酵素ドリンク「優光泉」のサイトが参考になります>>完全無添加の酵素ドリンク【優光泉(ゆうこうせん)】
おすすめは糖質制限との組み合わせ
酵素ドリンクを使って無理なくダイエットするのにおすすめな方法は、糖質制限と組み合わせることです。
前の記事でも触れましたが、糖質制限とは・・・
糖質(糖類とでんぷん)は人間の脳と体を動かすエネルギーになる成分である
↓
が、実はもともと人間の体は食物から糖質を摂らなくても、脂肪やたんぱく質から糖質を合成する機能をもっている
↓
糖質を過剰に摂ると、それを細胞に吸収させて血糖値を下げるホルモンであるインスリンが大量に分泌されて血糖値の乱高下がおこる(血糖値スパイク・ペットボトル症候群などといわれる状態)
・血糖値の乱高下は色々な臓器に負担をかける
・インスリンの過剰分泌は膵臓を疲弊させる→将来的に糖尿病のリスク
・余分な糖質は中性脂肪に合成されて体内に蓄えられる→肥満や高脂血症のリスク
↓
なので、なるべく糖質を食事から摂らないようにすることでこれらのリスクが軽減できる
・血糖値が安定する→臓器への負担が軽減・気分の波が起こりにくい
・余分な糖質からつくられる脂肪が蓄積しにくい
・もともと体内に溜まっていた脂肪が分解されて糖質になり消費されるのでダイエットになる(健康的な体重に近づく)
という考え方です。
たんぱく質や脂質は消化吸収に酵素が必要ですし消化のためにエネルギーも要ります。
食品と一緒に酵素や発酵食品を摂ると、もともと人間がもっている消化酵素に加えて食べた酵素が消化をたすけて胃腸の負担を減らしてくれるので、体に負担少なく糖質制限食を取り入れる効果が期待できます。
糖質制限についてはこちらの記事でも詳しく書いています>>糖質制限ダイエットについて
美容&健康ドリンクと考えれば悪くない!?
酵素は生命活動に不可欠な物質、生命活動を回すための物質、いわばエンジンです。
酵素がしっかり補われるor体内でつくられると、効率良くエンジンが回り、いわゆる「代謝が良い」状態になります。
健康的なダイエットのためには「代謝がいい体をつくる」ことがとても大切。
食べた栄養素や体にたまっている余分なエネルギーがしっかり使われて、効率良く循環していくことが、健康なからだの状態でありダイエットに成功している状態なのです。
上にも書いたとおり、というかしつこく何度でも書きますが、飲んだ酵素がそのまま脂肪にいって余分な脂肪を燃やしてくれるわけではありません。
それでも、良質なアミノ酸を摂ることで酵素がたくさんつくられて代謝がアップする可能性がありますし、酵素の働きで胃腸が元気になることで体調をととのえ、リバウンドしにくい体質をつくっていく助けになる可能性がある・・・ということです。
まーそんな難しい話は聞き流すしとても(笑)、ダイエット中に食べる食品として、「ただのお菓子」より「からだにいい酵素とアミノ酸をしっかり含んだ酵素ドリンク」どちらが元気に痩せられそうかは・・・なんとなく想像できません?w
多くの酵素ドリンクは美容成分も追加されていますし、値段も1日あたりにしたら美容ドリンクやサプリとだいたい似たような価格(200〜300円くらい)なので、酵素の効果は〜〜ってややこしく考えなくても、美容ドリンクの一種かなーくらいに考えたら悪くないんじゃないかなぁという印象です。
正直「酵素」が前面に出てくると、詳しくない人はよくわからないし詳しい人は怪しいって思ってしまうところじゃないかと思うのですが^^; 要は「新鮮食材と発酵食品のいいところを濃縮してみました的な健康飲料」なんですよね!w
美容と健康に興味があって予算に余裕があるかたは、いちど試してみるのも悪くないかもしれません!