ロート製薬はなぜ、プチプラ化粧水市場で「独走」できたのか

Beauty Reports

突然ですが、まずこのサイトを見てください。
https://www.syogyo.jp/market_share/2026/01/post_043036
このウェブページは化粧品・日用品・美容業界に特化した週刊の総合専門情報紙「週刊粧業」さんがアップしている「化粧水のシェアランキング」です。

ここで、コスメに詳しい方なら気づくはず。
肌研(肌ラボ)、肌ラボ、肌ラボ……それらを挟むメラノCC
実はこれ、すべて「ロート製薬」の製品なんです。

ランキング上のロート製薬の商品を合算したときのシェアは、単純計算で約10%。一部報道では2024年度のスキンケア製品のシェアは約30%との試算もあります。

とはいえ、「ロートといえば目薬」という印象を持つ人も多いはず(月曜日の22時に流れていたあのCM)。目薬が会社の象徴なのに、化粧水でここまで存在感を発揮しているのはなぜでしょうか。ここからは数字や事業構造も交えて、その理由を詳しく見ていきたいと思います。

スキンケア事業が会社の中心になっている背景

まず押さえておきたいのは、現在のロート製薬ではスキンケア事業が売上の大部分を占めていることです。
公式資料によると、2024年度(直近集計)のロート製薬の連結売上高は約3,086億円で、そのうちスキンケア事業が約62%を占めています。これは化粧水だけでなく洗顔料や乳液など全スキンケアを含んだ割合ですが、スキンケアが会社の“稼ぎ頭”になっていることが数字からもはっきり分かります。

アイケア(目薬)や内服・食品関連がそれぞれ約18%と約16%に留まっているのに対して、スキンケアは圧倒的多数派です。この構造を考えると、「目薬メーカー」というイメージよりも、むしろ “ヘルス&ビューティケア企業”としての地位が強いと言う方が今のロート製薬に近いかもしれません。

なぜロート製薬の化粧水は売れるのか、3つの理由

それでは、具体的にどのような戦略や仕組みがロート製薬を強くしているのでしょうか。
ここでは主に3つのポイントを中心に考えてみたいと思います。

① 化粧水を「日用品」にした発想

以前の化粧水は、数千円クラスのものが多く、「選ぶもの」「効果を試すもの」という印象が強かったように思います。
しかし、ロート製薬が展開する肌ラボシリーズなどは、詰め替えもある仕様になっており、定期的に補充することを前提とした商品設計です。

この発想は、目薬のように日々繰り返し使う日用品という考え方に通じています。
化粧水が「毎日なくなるもの」になることで、使い続ける理由と購入機会が増え、結果としてドラッグストアでの定番商品化が進みました。

② 成分名をわかりやすく打ち出したこと

肌ラボやメラノCCが成功した大きな理由のひとつに、「成分を商品名・価値軸に据えたこと」が挙げられます。ヒアルロン酸、ビタミンC、ナイアシンアミドといった成分名称を前面に出すことで、専門知識がなくても価値が伝わりやすくなりました。

これは専門店ブランドのような深い説明ではなく「何が入っているか」で選べる化粧水という立ち位置を作り出したのです。消費者の目線から見ると、機能性と価格がしっかり結びついている分、初めての購入ハードルが低くなります。

③ 尖りすぎない“ほどほどの良さ”

ロート製薬の化粧水は、決して革新を追い求めるタイプではありません。
価格帯は600〜1,200円前後のものが多く、刺激を極端に強くせず、シンプルでわかりやすい処方を選んでいます。
結果として、特定の肌質や用途だけでなく幅広いユーザーにとって“失敗しにくい”選択肢になっているように感じます。

これは尖ったブランドではよくある評価ではありませんが、「毎日使う化粧水」としてはむしろ強い魅力になります。値段、成分、使用感のバランスが取れたことで、定番商品として長く棚に残りやすいという構造が生まれているのです。

肌ラボ・メラノCCの戦い方

具体的な例で見ると、肌ラボの「極潤」シリーズは、乾燥対策を望む多くの人にとって価格帯や入手しやすい観点から、最初に選ばれる化粧水になっています。売場でも常に上位ポジションにあり、パッケージが大きく変わらないことで “見慣れた安心感”が育っています。

メラノCCは、美白・透明感系の代表格として、ここ数年売上個数NO.1※と報じられるほどの存在感です(※メーカー発表で、化粧水カテゴリの年間売上個数で1位とされる実績)。
このように、用途別に分かれたブランドがそれぞれ強いポジションを持つことで、結果としてロート全体としてのシェアが高く見える構造になっています。

化粧水市場で語られる「独走」は何を意味するのか

ここまでお話ししてきたように、ロート製薬がプチプラ化粧水で強いのは
① 日用品としての設計
② 成分名での分かりやすい価値訴求
③ 幅広い層を外さないバランス感
という戦略が背景にあります。

そして、ここから少し考えてみたいのは、この状態を「独走」と呼べるかどうかです。
単純に1位を取り続けているブランドがある、というだけでなく、複数ブランドで売場を押さえ、消費者の選択行動を形作っているという意味では、ロート製薬は確かに“独走しているように見える”のではないでしょうか。

ロート製薬はヒットメーカーではなく「市場設計者」

ロート製薬の化粧水は、ただ単に売れているだけではありません。
消費者にとって買いやすい形で、プチプラ化粧水というカテゴリーを再定義し、日常的な消耗品としての位置づけを固定した結果とも言えます。

売場だけでなく、消費者の購買行動にも影響を与えている点を考えると、
ロート製薬は単なるヒットメーカーではなく、「生活者の基準をつくる市場設計者」なのかもしれません。

こうした見方は、単に売れている理由を語るだけでなく、化粧品市場全体の構造理解にもつながるはずです。


ロート製薬―数字で見るロート(採用ページより)
https://www.rohto.co.jp/recruit/infographics/?utm_source=chatgpt.com

2年連続、化粧水市場売上NO.1※1の「メラノCC®」から新化粧水 誕生
https://www.rohto.co.jp/news/release/2025/0701_01?utm_source=chatgpt.com




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